富裕層という言葉がある。
一般的なイメージでいくと
「余りあるほどのお金を持ち、好きなものに好きなだけお金をかける層」だ。
「そんな金持ちあったことないし、なかなかいないよ」
「そんなお客さんだらけだったら、売上げにも追われないし沢山儲かるのになぁ・・・」
そんな声が聞こえてきそうだが、心配ご無用。
富裕層はすぐ近くにいる。
そして恐らくあなたのお客の中にも存在する。
そこで今日はあなたの商売の富裕層を見つける方法について書きたい
■そもそも富裕層とはどんな人なのか?
タイトルにもある様に「金持ち=富裕層」というのは間違いだ。
どういうことか分からない場合は自分のお客さんを思い出してみるといい。
「一番売り上げに貢献してくれているお客さん=一番金持ち」だろうか?
答えは「ノー」。大半の人がそう答えるはずだ。
ではどんな人があなたの商売にとって富裕層であり、上顧客なのか?
ここでキーワードになるのは「価値観」だ。
お客がサービスに感じる価値は2種類ある
「価値観」という言葉は非常に曖昧で複雑だ。
これは男女の関係が破綻する理由の圧倒的ナンバー1が「価値観の違い」ということからも明らかだ。
今回はそんな曖昧な言葉で終わらせるつもりはないのでご安心を。
まずは2種類の価値とはなんなのか紹介したい。
1つ目が「機能的価値」、2つ目が「感性的価値」だ。
ますます分かりづらくなるといけないので具体的な事例を羅列していく。
■飲食店に求める価値
機能的価値:空腹を満たしたい
感性的価値:美味しいものを食べたい
■美容院に求める価値
機能的価値:髪を短くしたい、軽くしたい
感性的価値:自分に似合ったピッタリのスタイルにしたい
■医者・治療院に求める価値
機能的価値:痛みを消したい。身体の不具合を解消したい。
感性的価値:再発しないよう予防をしたい。いつも健康でいたい。
- エステサロンに求める価値
機能的価値:現在の肌の状態を良くしたい。デトックスして溜まった老廃物を流したい。
感性的価値:自宅でもケアをしたい。いつも奇麗でいたい。
- アパレルショップに求める価値
機能的価値:暑さ、寒さをしのげればいい。さすがに裸ではいられない。
感性的価値:カッコいい自分でありたい。周りから褒められたい。
- 車に求める価値
機能的価値:普段一緒にいる人数が乗れて、雨風がしのげて、移動出来ればいい。
感性的価値:強烈な加速が欲しい。自慢出来る車に乗りたい。
お分かりいただけただろうか?
機能的価値=最低限の機能を満たすことに感じる価値。
感性的価値=機能とプラスαの欲求を満たす事に感じる価値。
お客はアイスが食べたい場合(機能的価値)なら100円を払う。
しかし美味しいアイスが食べたい場合(感性的価値)なら300円を払う。
普通のアイスとハーゲンダッツの違いだ。
発泡酒とプレミアムモルツでも同様だ。
そして感性的価値を満たす商品の場合、値段が倍増する。
利益が沢山出せるので売る側も満足だ。
つまりこのプラスαの欲求と価値観を持った人が「富裕層」なのだ。
ただ金を沢山持っている人ではないというのはそういうことだ。
■あなたの周りにも富裕層は沢山いる
あなたの周りにもきっとこんな「富裕層」がいるはずだ。
- 車はオンボロなのに車より高い釣り竿を持っている釣りマニア
- 服には気を使わないのに自分の年収よりも車に金をかけているカーマニア
マニア=富裕層といってもあながち間違いでは無いだろう。
そしてちゃっかりあなた自身も富裕層になっている瞬間があるはずだ。
今のお客さんの中に富裕層を作っていきたいのなら、感性的な価値を気づかせる努力をする必要がある。
気づいたお客さんは喜んで高いお金を払うだろう。
飲食店ならグルメに。
治療院なら健康マニアに。
美容関係なら美容マニアに。
あなたのサービスのマニアに育てるのだ。
■皆どこかで富裕層になっている
限定性と希少性が高くなるとさらに人々は富裕層に変身する。
一生に一度の「冠婚葬祭」事業は単価も利益率も極端に高い。
ウェディングや葬儀はその人にとって一生に一度だから、「もう二度と出来ない」という価値に対してお金をかける。
葬儀は最近「家族葬」などが増えているので、葬儀の富裕層は減っているのかもしれない。
ちなみに最も日本人に多い富裕層は「住宅を買う人」だ。
年収の5倍もの借金を背負って買い物をするのだから恐れ入る。
高度経済成長期にガンガン国内のお金を回す為に「一国一城の主」という感性を、国が後押ししてプロモーションしたのだから、今の日本には一番根強い富裕層だ。
皆が国に教育され、「皆がやっているから私も」という日本人の横並び意識がそれを加速させた。
「金を持っているかどうか」ではなく「どこに対して金をかけることに価値を感じるか」が重要なのだ。
老人ほど保険に金をかけるのもそういうことだ。
若かりし頃は営業マンがうっとうしくて仕方なかったはずなのに。
長くなりすぎたのでまとめを。
■まとめ
- 金持ち=富裕層ではない
- 価値には「機能的価値」と「感性的価値」の2つがある
- 「感性的価値」を満たした方が買い手も売り手も嬉しい
- マニア=富裕層といっても過言ではない
- お客をマニアに育てる努力が富裕層を作り出す
- 希少性と限定性が増すとさらに富裕層になりやすい
好きなものにお金を使うのが一番気持ちいい。
機能的なものはすぐに価格競争に巻き込まれる。
機能プラスαの欲求に応える部分が、あなたのサービスの存在意義であり、お客に選ばれる理由だ。
それをあぶり出して、まとめて、わかりやすく伝えるのが私の仕事(営業モード)。
余談:「金持ちはケチだ」と言われることが多い理由
これは先ほどの2つの価値で説明出来る。
機能だけ満たせばいいものには金をかけない。
プラスαを満たすものには沢山金をかける。
「金持ちなのにケチ」というよりも、金を使うところと使わないところがハッキリしているからこそ金持ちになった。
そんな金持ちの人が多い気がする。
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