マーケティングの仕事に携わっていると「このサービス、商品はちゃんと理解されれば絶対人気が出るはず!是非広めたい!」
という熱い相談をよく頂きます。
しかし、広めてもなぜか選んでもらえない場合があります、、、
今日はそんな売り手と買い手の「ボタンの掛け違い状態」のよくあるパターンと打開策を紹介したいと思います。
・マーケティングのプランを作る第三者として
実際「これ、広まったら売れるだろうな」というものは沢山見てきました。
そして、相談をくれるのは歯痒い状態に我慢がならない開発者、経営者の方。
中には
「既に結構な金額を広告宣伝にかけているのに、全然反応無しなんだけどどうして?」
とワナワナしている方も。
・選ばれない理由は大体4パターンに集約される
先にご紹介すると
1 魅せ方が売り手の目線
2 機能、性能を語っているだけでつまらない
3 専門用語が多すぎる
4 広めたつもりになっている
この4つが主なパターンです。
では、1つずつ解説していきますね。
・1 魅せ方が売り手目線
これは職人さんタイプの方に多いんですが、「買った人がどんな価値を得られるか」よりも「これってこんなに凄いんだよ」と売り手のこだわりを先に説明してしまう。パターン。
買い手の興味がサービスのこだわりに向くのは「おっ、これ良さそうだな」と思った後です。逆はありません。
まずは「え、それってどういうこと?詳しく知りたい」という状況を作ることからスタートささましょう。
そして、その状況を作るためには買い手のニーズを正確に把握して、それに対して語りかける必要があります。
売り手がどれだけ頑張ってサービスや商品を作っても、語りかける順番を間違えたら全部パーです。
全てのプロモーションは「買い手への興味付け」からスタートします。
・2 機能、性能を語っているだけでつまらない
「こんな原料を使っています」
「こんなに時間をかけています」
「こんなに贅沢な機能がついています」
もちろん、これ自体は魅力的なことなのかもしれません。
ただ、買い手が知りたいのは「それで、私にはどんな良いことがあるの?」ということです。
買い手に取ってサービスや商品は「手段」です。
その先には必ず「目的」があります。
上の3文の次に「だから○○なんです」という言葉を加えて初めて、買い手はメリットに気づいてくれます。
「だから○○なんです。」の部分が無いテレビショッピングを見たことがあるでしょうか?
この1文は必須項目です。
・3 専門用語が多すぎて理解が出来ない
自分の業界の専門用語って当たり前になりすぎて、つい素人相手にも使ってしまいがちです。
嫌いだった科目の授業やテストを思い出してみてください。
1つ分からない言葉が出てくるだけで、訳が分からなくなった経験は誰にでもあるはずです。
若者言葉がお年寄りに伝わらなかったり
イノベーションとかシナジーと言った横文字だらけのプレゼンが異世界の話に聞こえるのと同じです。
まずはカッコよさよりも分かりやすさ。
池上彰さんのように小学生にも伝わる表現を考えてみましょう。
・4 広めたつもりになっている
チラシを何万部も巻いた
テレビCMを出した
新聞の取材が来た
売り手にとっては一大事でも、買い手にとっては数多くある広告の1つ。
浸透するまでには時間がかかります。
自分が買い手の時、わざわざ全ての広告をくまなくチェックするでしょうか?
「そのタイミングで興味があるもの」しか見ないはずです。
買い手のタイミングは売り手側でコントロール出来ませんから、「広告を出した瞬間に興味がある人だけに絞って」広告の内容を作り、そこで売り上げを回収しながら次の宣伝の原資を作っていくことをおすすめします。
そうして顧客を増やしながら、宣伝を積み上げていくことで認知度が育っていきます。
私たちがコカコーラを生まれた時から知っているのは、コカコーラが「これでもか」というくらい繰り返し目の前に現れるからです。
反復しなければ買い手はすぐ忘れて、違うものに目移りします。
市場のシェアを抑える、そして買い手の財布内のシェアを抑えるためにも、目立つことは重要です。
・円滑に商品やサービスを広めていく為に
商品やサービスの値決めをする時に、「販売管理費」や「宣伝広告費」を価格に含んでいない企業さんがたまにあります。
全て対面営業で売り上げを立てていく場合ならOKだと思いますが、なにかしらの費用は必ずかかってくるものです。
「宣伝に支払いをする」、という感覚よりも「そもそも必要なもの」という前提で価格に含んでおかないと、精神的にもキツくなります。
「利益を減らして投資する」というより「まずお客さんの興味を買う」と考えるのもありだと思います。
「お客さんの興味を買ったから、お客さんが商品を買ってくれる」と考えるのが順番的にも自然かと思います。